AI-OCRとは?OCRとの違いや活用事例を解説

AI(人工知能)は、OCRの機能を大きく変化させています。ここでは、AI技術と組み合わせたAI-OCRや、業界別の活用事例についてご紹介します。

 

ORCとは?

OCRとは、紙に書かれた活字をデータ化する技術のことです。日本語では光学文字認識と呼ばれることもあります。コンピュータビジョンの一分野であるOCRの歴史は古く、1920年代にアメリカで開発され、日本では70年代以降より普及が始まりました。

 

AI-OCRとは?

一方で、AI技術と組み合わせたものをAI-OCRと呼びます。AI-OCRでは、活字だけでなく手書きの文字をデータ化したり、請求書や履歴書など一定のフォーマットに書かれた文字を読み込むことも可能です。

 

AI-OCRを活用するメリット

学習データが増えることで精度を増し、実務レベルで活用できることから、AI-OCRはさまざまな業界やシーンで活用されています。ここでは、実際にAI-OCRを活用するメリットについて見ていきます。

データ入力作業などの業務効率化

これまで手作業で行なっていた業務を自動化することで、バックオフィス業務の効率化が可能です。また手作業による人的ミスを減らし、エラーの修復作業にかける時間も削減できます。また、人材不足が叫ばれる現在、少ないリソースで膨大なデータを電子化することができるため、さまざまな業界での活用されています。

データの検索性やアクセスの向上

今まで紙だった資料や帳票を電子化することにより、異なる部署での情報共有や、膨大なデータから探している資料を簡単に見つけることが可能になります。また、紙と違い、データは半永久的に残せるため、長期に渡り膨大なデータを保管できることから、歴史的な文書の保存にも役立ちます。

保管スペースの削減

1枚の紙切れであればなんてことありませんが、膨大な文書を保管するとなると、広大なスペースが必要になります。スペースに限りはあるため、古い文書や不要な書類であればこれまでは捨てるしかありませんでした。しかし、電子化してしまえば保管スペースが不要になるだけでなく、クラウド上などで膨大なデータを保管しておくことができます。

 

AI-OOCRの活用事例

OCRには様々な用途があり、ここでは実際の活用事例をご紹介します。

小売における活用例

おせちやクリスマスケーキなど、ハガキや紙の注文書に書かれた注文内容をAI-OCRでデータ化することで、データ入力や処理にかかる時間を大幅に削減することができます。注文書をデータ化することで、どの商品への注文が多いのか、購買層の分析なども可能になり、プロモーション施策や発注業務などでも分析結果を活用することが可能です。

EC・小売業界向けAIデータソリューション

医療における活用例

紙カルテに書かれた文字を読み取り電子化することで、カルテの保管スペース削減だけでなく、調剤室や処置室を含めた病院内での情報共有をスムーズにすることができます。病院内での情報共有が進むことで、患者さんの待ち時間短縮にもつながります。

医療業界向けAIデータソリューション

自治体における活用例

団体の各種業務の実帳票や手書きの申請書などをAI-OCRでデータ化することで、職員によるデータ入力作業を省いたり、手動入力によるミスを減らし、正確かつ効率的にデータ化作業を行うことができます。RPAと組み合わせることで、項目条件を満たしていない申請書などを自動的に洗い出すことも可能です。

官公庁・自治体向けAIデータソリューション

銀行における活用例

口座開設や付随する帳票の情報を、AI-OCRで読み取りデジタルデータ化し、これまで目視チェックや手動で入力を行なっていた業務を自動化することができます。また、読み取ったデータの一部を抽出することで、高リスクな顧客のプロファイル照合や金融商品のレコメンドなど、幅広い銀行業務で活用が可能です。

金融・銀行向けAIデータソリューション

 

AI-OCR専門家による3つのアドバイス

Appenでは、AI-OCRを活用した最先端のAIモデル構築を支援するために、専門のチームいます。Appenのシニアプロダクトマネージャーであるクリスティン・ゴケイは、AI-OCRに関して以下のアドバイスを述べています。

AI作成では実際のデータを活用

例えば、領収書を自動的にデータ化するAIを構築する場合、ランダムなサンプルデータではなく、実際の領収書データを使う方が良いでしょう。また、さまざまな角度の画像や画質など、幅広い教師データを用意しておく必要があります。

アノテーションツールの活用

学習用データが充実している必要があるため、データのアノテーションに使用するツールは、あらゆる種類のドキュメントに対応できるものでなければなりません。

人間参加型のアプローチ

偏りのない精度の高いAIを作るには、ヒューマン・イン・ザ・アプローチが重要です。AIだけに頼るのではなく、アノテーションプロセスに人を参加させることで、学習前にエラーを発見し、修正することができます。

 

AI-OCR開発を支援するAppenのサービス

Appenでは、40万人以上の手書き人名を書き写した、手書き認識データセットなど、AI-OCR開発に活用できる既成のデータセットを提供しています。また、AI-OCRに特化した画像アノテーションツールも提供しており、独自のモデルに必要な高品質の教師データの取得を支援します。

詳細については、以下のフォームもしくは、contact-japan@appen.comまでメールでお問い合わせください。

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