プロンプトエンジニアリング (Prompt Engineering)とは?

02/28/2024

プロンプトエンジニアリングとは?

本記事では、プロンプトエンジニアリングの定義、目的、重要性、プロンプトの構成要素を解説していきます。

プロンプトエンジニアリングの定義

プロンプトエンジニアリング(Prompt Engineering)とは、生成AIから意図した出力を得るために、AIに与える指示文であるプロンプトを最適化する技術を指します。

適切なプロンプトを作成することで、AIの性能を最大限に引き出し、より質の高い文章生成や効果的な問題解決につながります。

プロンプトとは?

プロンプトとは、生成AI(大規模言語モデル)に入力する指示や質問、リクエストのことを指します。生成AIに対して「何をしてほしいか」を伝えるためのテキストのことです。

プロンプトエンジニアリングの目的

大規模言語モデル(LLM)では、言語モデルに入力する命令(プロンプト)によって、出力される回答が大きく変わります。 最適化されたプロンプトを入力しなければ、意図した回答を得られず、効果的に活用することは難しくなります。そのため、こちらの意図が正確に伝わるよう、プロンプトを最適化する必要があります。

プロンプトエンジニアリングの重要性

プロンプトエンジニアリングは、モデルの性能を直接左右する重要な要素です。

特に、AIの透明性や信頼性を向上させるうえで欠かせない技術とされ、今後もAIを活用するあらゆる場面で重要性が高まると考えられています。

プロンプトエンジニアリングの最大の特徴

プロンプトエンジニアリングの最大の特徴は、モデルの出力を意図した形にコントロールできる点です。出力結果を望ましい方向に誘導するため、質問形式や指示の表現方法を工夫します。質問を明確にしたり、詳細を指定したりすることで、より精度の高い回答を得ることが可能です。

意図が不明確なプロンプトの例

「AIについて教えてください。」

意図が明確なプロンプトの例

「AIの定義、特徴、どのように活用できるか、今後の展望について1,000文字程度で説明してください。」

プロンプトの構成要素

プロンプトの構成要素は、生成AIに対して明確な指示を与え、期待する出力を得るために重要です。一般的に、以下の4つの要素がプロンプトの構成要素として挙げられます。

1.命令 (Instruction)

プロンプトにおける命令とは、生成AIに実行してほしいタスクを指示する文を指します。 意図した回答を得るためには、明確に何をしてほしいのかを指示することが重要です。

生成AIに対して行う命令には、以下のようなものがあります。

生成AIに対して行う命令の種類

  • 書いてください。
  • 要約してください。
  • 教えてください。
  • 作成してください。
  • 修正してください。
  • 説明してください。
  • 翻訳してください。
  • 分類してください。

生成AIに対して行う命令の例

「次のテキストをフランス語に翻訳してください。」

2.文脈(Context)

プロンプトにおける文脈とは、生成AIに対して行う命令に関連して、考慮してもらいたい背景情報や追加情報などを指します。生成AIに特定の文脈や背景、追加情報を提供することで、より正確で関連性の高い出力を生成することができます。

例えば、先ほどの命令の例に文脈を加えてみましょう。

文脈のないプロンプトの例

「次のテキストをフランス語に翻訳してください。」

文脈のあるプロンプトの例

「あなたは、フランスのIT企業で営業担当者として働いています。次のテキストをフランス語に翻訳してください。これは取引先に送るビジネスメールです。」

このように、文脈(立場や役割など)を明確に定義することで、プロンプトがより具体的で明確になります。あなたが属している業界や会社など、精度を高める可能性のある情報を追加することも有効です。

3.入力データ(Input Data)

プロンプトにおける入力データとは、生成AIが処理する対象となるデータを指します。テキスト、画像、コードなど、様々な形式のデータが入力データとして使用できます。命令と文脈に基づいて、生成AIはこの入力データを処理し、出力を生成します。

実際に、入力データを追加してみましょう。

入力データのないプロンプトの例

「あなたは議事録の担当者です。要約してください。」

入力データのないプロンプトの例

「あなたは議事録の担当者です。以下の会議メモを要約してください。」

このように、回答に必要な情報をプロンプトに含めることで、生成AIは何を要約すべきかを理解することができます。言うまでもありませんが、上記のプロンプトの下に会議メモを貼り付ける必要があります。

4.出力インジケーター(Output Indicator)

プロンプトにおける出力インジケーターは、出力指示または出力形式とも呼ばれ、期待する回答の形式やスタイルを具体的に示すものです。どのような形式の回答を望んでいるのかを、明確に指示することが重要です。

実際に、出力インジケーターを追加してみましょう。

出力インジケーターのないプロンプトの例

「あなたは議事録の担当者です。以下の会議メモを要約してください。」

出力インジケーターのあるプロンプトの例

「あなたは議事録の担当者です。以下の会議メモを箇条書きで要約してください。要約は1,000文字以内である必要があります。」

上記の例では、箇条書き形式で要約すること、そして1,000文字以内に収めることという2つの条件が出力インジケーターとして明確に示されています。このように具体的な指示を追加することで、生成AIが意図した形式で回答を出力しやすくなります。

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