データラベリングとは?わかりやすく解説

データのラベリングは、モデルのトレーニングに使用する前にデータに意味付けを行う重要なプロセスであり、品質や拡張性などの重要な要素を念頭に置きながら適切なアプローチを選択することが重要です。

 

データラベリングについて知っておくべきこと

人工知能(AI)は、訓練されたデータがあってこそ、その性能を発揮します。学習データの質と量がAIアルゴリズムの成功を左右するため、AIプロジェクトに費やす時間の平均80%が、データのラベリングを含む学習データの取り込みであることは驚くことではありません。

AIモデルを構築する際には、大量のラベル付けされていないデータからスタートすることになります。そのデータにラベルを付けることは、AIを構築するためのデータ準備と前処理に不可欠なステップです。

 

データラベリングとは?

機械学習(ML)の文脈におけるデータラベリングとは、正確には何なのでしょうか。それは、データサンプルを検出し、タグ付けするプロセスであり、機械学習における教師あり学習に関しては特に重要です。教師あり学習は、データの入力と出力の両方がラベル付けされ、AIモデルの将来の学習を豊かにすることで発生します。

データラベリングワークフロー全体には、データのアノテーション、タグ付け、分類、モデレーション、処理などが含まれます。ラベル付けされていないデータを、AIモデルに必要な学習データに変換し、どのパターンを認識すれば望ましい結果が得られるかを学習させるためには、包括的なプロセスを用意する必要があります。

例えば、顔認識モデルのトレーニングデータには、目、鼻、口など特定の特徴を持つ顔の画像にタグを付ける必要があるかもしれません。また、感情分析を行うモデルの場合(例えば、相手の口調が皮肉かどうかを検出する必要がある場合)、音声ファイルにさまざまな抑揚のあるラベルを付ける必要があります。

 

ラベル付きデータを取得する方法

モデルが正しい予測を行うように教えるためには、データのラベルが高精度である必要があります。データラベリングプロセスでは、品質と精度を確保するためにいくつかのステップを踏む必要があります。

 

データラベリングアプローチ

データラベリングは、最も多くの時間とリソースを必要とするステップであるため、組織にとって適切なデータラベリング手法を選択することが重要で。データラベリングは、以下のようないくつかの方法(またはその組み合わせ)を使って行うことができます。

社内で実施

社内のスタッフとリソースでデータラベリングを実施します。結果をより詳細に制御できますが、特にアノテーターをゼロから採用してトレーニングする必要がある場合は、時間がかかり、費用がかかってしまうことが多いです。

外部に委託

フリーランサーやクラウドワーカーに依頼し、データラベリングを行う方法です。外注先のスキルを評価することができますが、ワークフローの編成をコントロールすることはできません。

専門の企業に依頼

社内にリソースがない場合は、信頼できるサードパーティのデータパートナーを利用して、データラベリングのニーズをクラウドソーシングすることもできます。データパートナーは、モデル構築のプロセスを通じて専門知識を提供し、大量のデータを迅速に処理できる大勢の貢献者へのアクセスを提供することができます。クラウドソーシングは、大規模な展開が予想される企業にとって理想的です。

 

マシンを活用する

データラベリングは、マシンでも行うことができます。特にトレーニングデータを大規模に用意する必要がある場合は、機械学習支援型のデータラベリングを検討する必要があります。また、データの分類が必要なビジネスプロセスの自動化にも使用できます。

組織が採用するアプローチは、解決しようとしている問題の複雑さ、従業員のスキルレベル、および予算によって異なります。

 

品質保証

品質保証(QA)は、見落とされがちですが、データラベリングプロセスにとって重要な要素です。データ作成を自社で行っている場合は、必ず品質チェック行うことをおすすめしますデータラベリングの専門企業に依頼している場合には、大半の場合QAプロセスが組み込まれています。

なぜQAが重要なのでしょうか。データ上のラベルは、情報量が多いため、独自かつ独立したものである必要があります。また、ラベルは高い精度を反映したものでなければなりません。例えば、自動運転車用の画像にラベルを付ける場合、モデルが正常に動作するためには、画像内のすべての歩行者、標識、その他の車両が正しくラベル付けされていなければなりません。

 

訓練とテスト

トレーニング用にラベル付けされたデータを入手し、QAに合格したら、今度はそのデータを使ってAIモデルにトレーニングを行います。その後、新しいラベルなしデータセットでテストし、予測値が正確かどうかを確認します。モデルのニーズによって、求められる精度は異なるでしょう。

放射線画像を処理して感染症を特定するモデルの場合、ECサイトで商品を特定するモデルよりも、生死に関わる可能性があるため、精度レベルを高くする必要があるかもしれません。それに応じて精度の閾値を設定します。

 

データラベリング専門家による3つのアドバイス

Appenでは、最高のデータアノテーションプラットフォームを提供するために、専門のチームいます。プロダクトマネジメントのVPであるミーティア・ダッシュは、データラベリングに関して以下のアドバイスを述べています。

  1. 最も成功しているチームは、ユースケース、ターゲットペルソナ、成功指標を明確に定義することから始めます。これにより、トレーニングデータの必要性を特定し、さまざまなシナリオを確実にカバーし、多様なデータセットの欠如による潜在的な偏りを軽減することができます。さらに、データのラベリングに多様な関係者を組み込むことで、ラベリングプロセスで生じるバイアスを回避することができます。
  2. 時間経過や予期せぬ変化により、モデルの予測性能が劣化するデータドリフトは、よくあることです。現実の世界では、モデルが目にするデータは日々変化しており、1ヶ月前に学習させたモデルが期待通りのパフォーマンスを発揮しないこともあります。そのため、スケーラブルで自動化されたトレーニングデータのパイプラインを構築し、常に新しい情報を使ってモデルをトレーニングすることが非常に重要です。
  3. セキュリティとプライバシーへの配慮は、後回しにせず、真正面から取り組む必要があります。最適なモデルのトレーニングに必要のない機密データは、可能な限り削除してください。セキュリティに優れ、エンタープライズ向けデータラベリングプラットフォームを使用し、機密データを扱うデータラベリングプロジェクトに取り組む場合は、適切なトレーニングと経験を持つ、スタッフを選ぶ必要があります。

 

Appenのデータラベリングサービス

Appenは大規模な機械学習を改善するためのデータラベリングサービスを提供しています。

235以上の言語の専門知識、世界中で勤務する100万人以上の熟練したスタッフ、そして業界最先端のAI支援データアノテーションプラットフォームを運用して、Appenのソリューションはテクノロジー業界、自動車業界、金融サービス業界、小売業、製造業、そして世界中の政府機関のリーダーたちが求めている品質、セキュリティ、スピードをお届けしています。

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